想い

朝になっても
モヤモヤしていた。


怒りが湧いてきて


おっは
と声をかけてくる夫を
にらみつけた。


私との時間より
読書を優先する
夫が憎かった。


リビングに置いてある
夫の本をまとめて
夫の部屋に投げ捨てた。



本と結婚したらいいよ。



夫の洗濯物も
わざとはぶいて
洗濯した。



本に洗濯やってもらったらいいよ。



夫は
本は乱暴に扱わないでほしい
と言った。


私を乱暴に扱うからだ。





その日
夫は出社だった為
家を出た。





私はしばらく
ベッドに横たわり
動けなくなった。








夜22時ごろ
夫が帰宅。



重苦しい空気の中


なにか話す?
と聞かれた。



私は1日中考えても
考えがまとまらなかった。

夫から
話してほしいと言った。


夫は
何を話したらいいか
わからない
と言った。



仕方なく
私が思っていることを話した。


寝る前のせめて30分を
夫婦の時間にしてほしかった。

私が甘えたいときは
他のことを投げ出して
向き合ってほしい
と言った。



夫は
なにか書類を読みながら
きいていたが
途中でやめた。




色々と質問したが、
夫の答えは
そのほとんどが
「わからない」だった。




夫を隣に呼び寄せた。


こども達の話をした。


私もどうしたらいいかわからないけど

こども達のことを想う気持ちは
同じでしょ。
夫婦仲が悪いままは
やっぱり良くない。
今ならまだ
引き返せる。
と言った。


夫は、
言ってる意味がわからない
と言ったが


しばらく考えて


「好きか嫌いかの問題じゃない。
 
 お互いが傷つけ合ってる。」


と言った。



私はなんとなく
夫の言いたいことがわかって
涙が溢れた。



「いっかい、終わらせてみる?」



夫から初めて
別れの言葉が出た。